「ブーム」から「問題」へ
AIが初めて登場したのは1950年代で第1次AIブームと呼ばれています。
1980年代からの第2次AIブーム、2000年代から現在までの第3次AIブームと続くのですが、何故「ブーム」という言葉が使われているのでしょう?
日本語で「ブーム」は流行という意味に使われがちなのですが、ここでは「急速な発展」という意味で使われています。
第1次から第2次になるまでが約30年、第2次から第3次までが約20年かかっています。第3次に入ってから20年近くが経過しているのです。
では第4次AIブームはいつ来るのだろう?と考えている方は多いと思います。しかし、先にやってきたのは「ブーム」ではなく「問題」でした。
2045年問題です。AIが人間の知能を越える?少し前までは映画の世界の話でしかありませんでした。
近いうちに第4次AIブームという言葉は出てくると思いますが、AIは人間にとって「急速な発展」ではなく「脅威」へと変わった事も事実なのです。
2045年問題とは?
アメリカのコンピュータ研究者のレイ・カーツワイルを中心としたチームが2045年頃に人間はコンピュータの未来を予測できないと指摘しました。
AIが人間と同等以上の知能を持つ可能性があるのです。人間の脳を全てAIに置き換える事が出来るようになる事で、自我に目覚める可能性も出てきているのです。
今までにもコンピュータ業界には2000年問題などがありましたが、あくまでコンピュータの誤作動が問題を起こす事でした。しかし、2045年問題は全く違う話で30年以内にやってくる脅威なのです。
50%が失業する
ホワイトカラーの50%が失業すると予測を立てている研究者もいます。もちろん一気に就職率が下がるわけではありませんし、ある程度の歯止めはすると思います。
しかし、怖いのが人間はゆるやかな変化には危機感を持ちにくいという事です。車の完全自動運転技術は当初2030年代を目標としていたのですが2020年に前倒しされ開発が進んでいます。
一気に変化してしまうと危機感をもちやすいのですが、現在の車などはどうでしょう?自動ブレーキや危険察知機能などがすでに多くの車に搭載されていて、当たり前になってきています。
多くの人が、機能として見ているのですがこれが全てAIなのです。自動運転のタクシーも実用化に向けて試験運転を重ねています。
24時間働ける人間はいません。ですが、AIならば24時間休みなく働くことができます。最初のうちは警戒感もあり、全てを任せる事は無いでしょう。
しかし、普及してしまえば、それが当たり前となりいつの間にか今までやってきた自分の仕事をAIに任せていく事になるでしょう。
知らない間に仕事を奪われ、職を失う事になるのかもしれません。
「人間らしさ」で抵抗する
AIは確かに便利で、いずれ自我を持つかもしれません。しかし、心を持つことができるでしょうか?
私はそうは思いません。事務的な仕事はAIには勝てないでしょうが対人に関しては相手の気持ちを察することが人間には出来ます。
同じ店舗内でも親しみやすい店員さんと詳しいが事務的に仕事を行う人がいます。現在では仕事が出来る人が優遇されることが多いのですがAIが普及してしまえば、今まで仕事が出来ていた人が職を失い、仕事は普通だが親しまれる人が残れる逆転現象が起こるかもしれません。
仕事の判断もAIが行うようになるかもしれませんが、仕事には1+1=2ではない場合も多くあります。AIが判断を誤った時に責任をとるのは人間なのです。
年功序列で管理職についている方もいるでしょうが、責任を持てる人だけが会社に残っていけるのだと考えます。AIが普及すれば便利になり人間はより生活しやすくなるでしょう。
しかし、AIに頼りすぎると必要のない人間が増えていく事にもなりかねません。AIはまだまだ進歩していきますが「人間らしさ」を忘れない事がうまく共存していく道だと思います。